消防計画に基づいた消防訓練について解説いたします

自衛消防の訓練の義務



■消防計画が必要な理由(わけ)

いざ火が出た! さあどうしよう!?
そういう事態を想像してみましょう。恐らく、その場の全員がパニックになってしまいます。そのときに、よりどころになるのが、「行動マニュアル」としての「消防計画」です。過去の事例を見ても、消防計画がちゃんと準備されているビル建物は被害が少なく準備されていないところでは大惨事になっている例が多く見られる、という傾向が表れています。

もちろんそのためには、そのビル建物の実態に則したマニュアル=消防計画であることが大事です。

そして、その計画に基づいて、日常から「消防訓練」を行なって、計画どおりに動けるよう準備しておくことが大事なのです。

■消防計画の作成単位

消防計画の作成単位=防火管理者の選任単位、が答えです。
例えば:

@ 複数のテナントが入っている雑居ビル等では、テナントごとに防火管理者が選任されます。この場合、テナントごとに消防計画をつくることになります。
A 雑居ビルであっても、各管理権原者(テナントの借主等)が同一の人を防火管理者として選任している場合(共同選任)では、一括してひとつの消防計画をつくることになります。



■何を記載すればよいか?

形式的には、法律(消防法施行規則第3条)で記載事項が決められています。しかし、消防計画は、いざというときのための「行動マニュアル」です。実態に則したもので、実践に活かされるものでないと意味がありません。

消防法施行規則第3条 click !

■作成にあたっての着眼点

消防計画は、そのビル建物の「実態」を踏まえた、実効性の高いものでないといけません。そのために、あらゆる角度から火災の「危険」の可能性を予測することが大事です。


危険を予測するための着眼点として、主に次のものが挙げられます。

@ 火気や危険物の取り扱い状況をもとにした出火危険
A 大量可燃物などの有無および管理状況、さらに部外者の出入り状況などに基づく放火の危険性
B 建築物の面積、階層、防火戸、防火区画などの状況を踏まえた延焼拡大危険およびその経路
C 建築物の用途(単一、複合の別)および営業状況を基にした出火、人命危険
D 収容者の特性(病人、老人、乳幼児、酩酊者など)および数を基にした避難誘導の難易度
E 従業員の数や警備などの体制を踏まえた消火、避難誘導などの自衛消防活動能力
F 防火・避難施設、消防用設備などの設置状況を踏まえた消火、避難の難易度
G 廊下や階段の数および位置を踏まえた避難導線
H 高層建築物の防災計画における避難計算値、排煙能力などを考慮した避難対策



用途別、重点事項例 click !

■作成上のポイント

作成にあたっては、下記のポイントを留意のうえ取り組みましょう。

check@ 簡潔・理解しやすいこと。(実行しやすいものにすること。)
checkA 形式にこだわりすぎず、必要項目の欠落がないように確認を。
checkB 担当者の不在等の際にも、相互に補完して対応できるように。
checkC 建築設計時の防災計画と矛盾しないように。
checkD 防火対象物の危険要因に着目、この措置に重点を置くこと。
checkE 共同選任や一部委託など、事故事業所以外の者に業務を行なわせる場合には、その権限を明確にしておくこと。
checkF 任務分担は、職名または氏名によって行なう。職名によって行なう場合は、組織図を提出するなど、消防計画とは別に担当者を明確にしておくこと。
checkG  「行動」に関する部分は「訓練に活用できる」ことを前提にまとめる。(マニュアル化)
checkH 夜間など従業員が少ない場合でも、実行できるように。

 

■消防計画のまとめ方

従業員が理解しやすいように、「使いやすい」計画書にまとめることが、第一に優先すべきです。法令に規定された「順番」どおりの構成で計画書をまとめがちですが、そんなことをする必要はありませんし、かつ、好ましくありません。

必要なポイントは押さえつつ、役に立つ計画書にまとめましょう。

中規模対象物の消防計画の構成例 click !
小規模対象物の消防計画の構成例 click !

■実情に応じて見直そう

防火管理に影響を生ずるような状況の変化があった場合は、速やかに消防計画を変更し消防署に提出しなければなりません。

例えば、次のような場合は、かならず消防計画を見直しましょう。

@
組織の長の変更をはじめとする、組織編成の変更など、自衛消防の組織に関する事項の大幅な変更
A ビル建物の「用途」の変更。増築・改築および大規模な模様替えなどによる各種変更
a 消防設備などの点検および整備に関する事項の変更
b 避難施設の維持管理に関する事項の変更
c 防火上の構造の維持管理に関する事項の変更
B
消火活動、通報連絡および避難誘導に関する事項の変更
C 防火管理業務の一部を委託した場合および委託内容の大幅な変更
D その他消防計画に予定しなかった事情の出現等




 
 
 

「自衛消防活動」とともに重要な二つの点検。実施に必要な知識は?コストは?

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